窯業系サイディングってお洒落で見栄えが良いですが、よく見るとひび割れてる?
そう。ひび割れが発生しやすい材料なんです。
今回はその原因と補修方法・予防方法をご紹介します。
現場日記と共に、工事中のアレコレをご紹介したいと思います。
工事中のお客様に喜んでもらえる工事を行うことは勿論ですが、工事をお考えの方へ参考になる記事にしていければと思っています。
※この日記は工事の翌営業日に投稿を行っていますが、作業や内容により、前後することがあります。
現在、新築時には7割を占める外壁がサイディング系。
中でも、窯業系サイディングはデザインが豊富で見栄えもよいので人気の商品です。
新築時にはメンテナンスが簡単と言われる事が多いのですが、窯業系サイディングはコーキング目地の劣化から始まり、チョーキングなどの劣化は必ず起こるものです。
そして、ひび割れも起こる可能性があります。
現在、施工中の建物でも、ひび割れが起こっていましたので、補修方法と共に、予防方法をご紹介します。
では、なぜひび割れるのか…の前に、窯業系サイディング材について。
窯業系サイディング材は、セメントと木質系成分を混合して製造される人工の外壁材で、窯業系サイディングそのものは水に強い素材ではありません。
表層部のガラス質のコーティングで耐久性・耐水性が新築時にはありますが、経年劣化・劣化箇所から徐々に水分を吸収する素材になります。
水分が吸収しやすくなると、サイディングボードは
雨水を吸収➡膨張
太陽熱での乾燥➡収縮
を繰り返します。
サイディングボードは3mで約7㎜程前後の膨張・収縮があるそうです。
コーキングの目地幅は10㎜が理想と言われています。
1m間隔でコーキング目地がある場合は、コーキングで受け止めれる可能性がありますが、大きくなれば少ない目地で受け止めなければいけない為、負荷が強くなります。
今回の建物はこちら
分かりづらいかもしれませんが、横張サイディングと言われる幅3mのボードです。
なので、目地の間隔は3m。約7㎜の膨張・収縮を10㎜の幅のコーキングが受け止めているのです。
もちろん、コーキングが新しくて柔軟性があれば受け止められていたのですが、経年劣化で硬くなったコーキングには負荷が大きすぎる為、コーキングは破断しやすくなります。
では本題の、膨張・収縮がなぜひび割れにつながるか…ですが、
ひび割れやすい場所についてお話しします。
ひび割れやすい場所は主に2か所あります。
① 釘の場所
最もひび割れが発生する箇所は釘廻りです。
サイディングは釘や金具で固定されています。金具は表面から確認できないのですが、
釘が出ているタイプは顕著に釘の廻りにひび割れが見受けられます。
膨張と収縮を繰り返す際に、固定されて動かない場所に歪みが生じてひび割れが発生します。
② 窓サッシやバルコニー枠などの淵廻り
続いて、窓サッシ廻りやバルコニー枠などの淵廻りです。
サッシを取り付ける際に、サイディングボードをカットして加工しています。
複雑な形の中には、負荷に弱くなっている箇所が発生しています。
窓サッシは意外と重いものです。膨張と収縮などを繰り返したり、地震や建物の揺れなどの要因が重なれば、負荷に弱い箇所からひび割れが発生する…という事になります。
では、補修を行います。
① コーキングの打ち替え
硬くなったコーキングを柔軟なコーキングにする事。また、コーキングの割れからも水分は侵入しますから、サイディングボードを傷めるきっかけになります。
増す打ちではなく、打ち替えが絶対です。
㈱さくら塗装は窓廻りも打ち替えを行います。業者によっては窓廻りは増す打ちをオススメする会社もありますが、増す打ちだとコーキングの機能を引き出すことが出来ないと感じています。
② ひび割れをパテ処理
クラックをパテやコーキングで成形します。今回はパテで成形しました。
あとは、通常通り塗装を行い完了です。
前述のとおり、窯業系サイディングがひび割れる原因は水分の浸透ですので、防水性を保つことが最適な予防方法となります。
ちなみに、水の浸透が原因で起こる窯業系サイディングの不具合はひび割れ以外にもあります。
・反り
サイディングボードに浸透した雨水が太陽光で乾燥する際、表面から乾燥、深層部が濡れたままの状態になる為、ボード自体が反ってくる現象
・凍害
サイディングボードに浸透した雨水が冬の寒い日に凍り、外壁の中で体積が大きくなった氷でボードが脆くなる現象
全ての原因が防水性の低下なので、予防方法も一緒です。
その方法が、外壁塗装。
窯業系サイディングは新築時の既存塗膜は約10年。
その後、塗替えの塗料は15年~25年の耐用年数の塗料を取り揃えています、大きな補修が必要になる前に、外壁塗装によるメンテナンスをお勧めします。
また、窯業系サイディングは新築時の既存塗膜は約10年。それまでにひび割れが起こった場合は、「品確法」により新築建設会社は無料で補修を実施する事が多いですので、築年数と照らし合わせて判断しましょう。
では、引き続き完成まで心を込めて作業に励みたいと思います。
㈱さくら塗装は兵庫県明石市に拠点を置き、お客様に安心してもらえる工事をお届けしております。
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