バルコニー防水をして風船のように防水層が膨れているのを見たことがありませんか?
コンクリートのバルコニーでは、通常のウレタン防水だと不十分な場合も…!?
今回はそのフクレの原因と、対策をお話しします。
現場日記と共に、工事中のアレコレをご紹介したいと思います。
工事中のお客様に喜んでもらえる工事を行うことは勿論ですが、工事をお考えの方へ参考になる記事にしていければと思っています。
※この日記は工事の翌営業日に投稿を行っていますが、作業や内容により、前後することがあります。
通常、ベランダ防水をウレタン防水で施工する際、密着工法での施工となります。
密着工法とは、既存のウレタン防水に直接ウレタンを塗布して防水層を作っていく工法です。
たまに防水層が風船のようにぷっくり膨れているのを目にする事があります。
これは下地の水分が残ってい可能性があるにもかかわらず、密着工法を行ってしまったためです。
下地の状況があまりよくないとき、特に下地が水分を含んでいる恐れがある時に、密着工法で施工した為、コンクリート内の水分が蒸発する際に、逃げ場を失って、水蒸気が防水層を膨らませてしまった状態です。
なので、下地の状況があまりよくないとき、特に下地が水分を含んでいる恐れがある時は新しい防水層は通気緩衝工法(つうきかんしょうこうほう)を採用します。
現在、施工中のお客様の建物は、既存下地がコンクリートでできており、通気緩衝工法をでの施工をしております。
施工前の状態がこちら
コンクリートにひび割れもあり、脆くなっているのが伺えます。
また、立上り部に錆が発生しています。立上り部の下地に鉄部材が使われているのは、非常に珍しいのですが、錆が発生しているという事は、防水効果は機能しておらず、蒸発しない水分が原因という事になります。
ちなみに、通気緩衝工法は絶縁工法と言ったりすることもあります。
『絶縁』という意味からもわかる通り、下地と防水層の間に通気層を作り、新設した脱気筒を通して、下地の中の水分を外部に上手に逃がす工法です。
では、早速施工に入りたいと思います。
【作業開始】
まず、表面をケレンで掃除していきます。
どの作業でもいえることですが、下地処理の手のかけ方が、仕上がりの良さに比例します。
続いて、立上り部に錆止めを行った後、カチオン処理をして、コンクリートを頑丈なものに復旧していきます。
カチオン処理は、必ず必要な作業というわけではありませんが、お客様の大切な建物がより長く安心して暮らせるために、当社では基本的にウレタン防水の下地処理では行っている作業です。
プライマー塗布後、通気緩衝シートを貼っていきます。
緑色のカッターマットのような見た目ですが、これが通気緩衝シートです。この通気緩衝シートの裏地には特殊な加工がされており、湿気が逃げる構造になっています。
また、通気緩衝シートそのものにも防水機能がある為、万が一ウレタン防水に損傷が起きても、雨漏りに直結する可能性が低くなります。
よれや浮きを防ぐため、通気緩衝シートをローラーで綺麗に抑えながら整え、つなぎ目や立上り部にはジョイントテープを貼り、隙間のないようにします。
いよいよ脱気筒を設置します。
通気緩衝シートの下に閉じ込められている空気を逃がすための穴を開けて、脱気筒を設置します。
設置場所は、水蒸気は高い方へ登っていく性質があるので、特に勾配の高い箇所に設置するのが理想的です。
今回は、勾配が高い場所で、バルコニーを利用する際にも邪魔になりにくい場所である、雨戸の引き込み部側に設置しました。
ちなみに、1つの脱気筒でカバーできる範囲は25~50㎡程度です。
設置数が少ないと脱気効果が機能せず、フクレが発生する可能性があります。
その点を踏まえ、設置数・設置場所は事前に提案・相談させていただきます。
その後、ウレタン防水を2度塗りし、トップコートで仕上げます。
乾燥を待って完成です。
作業工程が、密着工法より多い為、施工期間を多くいただきます。
今回は天候もよく5㎡未満の施工でしたので、3日で仕上げることが出来ました。
では、引き続き完成まで心を込めて作業に励みたいと思います。
㈱さくら塗装は兵庫県明石市に拠点を置き、お客様に安心してもらえる工事をお届けしております。
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